2022年3月14日月曜日

「開発とジェンダー」分科会2021年度第2回定例会開催(2022年3月29日[火])のお知らせです。

 

「開発とジェンダー」分科会2021年度第2回定例会開催(2022年3月29日[火])のお知らせです。


「開発とジェンダー」分科会2021年度第2回定例会開催(2022年3月29日[火])のお知らせです。

こちらからチラシをダウンロードできます。

 
2021年度も残すところ数週間となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 
「開発とジェンダー」分科会では、SDGs(持続可能な開発目標)をジェンダー視点からクリティカルに考
えてみることをテーマにした読書会を2020年度に引き続き企画しました。
2回目である今回は、前回も取り上げたSDGs(持続可能な開発目標)をクリティカルに議論している論文が収められているThe Politics of Destination in the 2030 Sustainable Development Goals(2017)【検討文献①】から1本の論文、フェミニズムの視点からSDGsを議論している論文(2018)【検討文献②】、フェミニストエコノミクスの文献Routledge Handbook of Feminist Economics(2021)【検討文献③】から2本の論文を検討します。

定例会の概要は、下記のようになります。
 
 
◆日時:2022年3月29日(火) 13時~17時
◆オンライン開催(Zoomミーティング)
 (事前登録制)
参加を希望される方は、開催2日前(3月27日)までに下記フォームより登録してください。開催前日までにオンラインでの参加についてのお知らせをお送りします。


文献報告①
◆報告者:平野恵子(お茶の水女子大学)
◆質問者:鳥山純子(立命館大学)
◆文献:【検討文献①第5章】 "Migration and Development after 2015"(Samid Suliman)
 
文献報告②
◆報告者:土野瑞穂(明星大学)
◆質問者:金美珍(大東文化大学)
◆文献:【検討文献②】The SDGs and Feminist Movement Building (Gita Sen)
 
文献報告③
◆報告者:大野聖良(日本学術振興会特別研究員(RPD、神戸大学))
◆文献:【検討文献③イントロダクション】"The Social Provisioning Approach in Feminist Economics: The unfolding research" (Günseli Berik and Ebru Kongar)

文献報告④
◆報告者:中村雪子(日本学術振興会特別研究員(PD、横浜国立大学))
◆文献:【検討文献③第45章】"The Sustainable Development Goals:Reflections from a Feminist Economics Perspective"(Shahra Razavi)


司会・趣旨説明:中村雪子


皆様お誘い合わせのうえ、どうぞご参加ください。
また、関心のありそうな方にご連絡いただけますと幸いです。
 
分科会では定例会での報告者を随時募集しております。
報告を希望される方は、事務局までご連絡ください。
 

2021年度「開発とジェンダー」分科会事務局
大野聖良・小川真理子・土野瑞穂・中村雪子
devgen.isgs@gmail.com


****下記定例会詳細です。転送歓迎です!****
開発とジェンダー分科会2021年度第2回定例会開催(2022年3月29日[火])のお知らせ

「開発とジェンダー」分科会では、SDGs(持続可能な開発目標)をジェンダー視点からクリティカルに考えてみることをテーマにした読書会を2020年度に引き続き企画しました。
2回目である今回は、前回も取り上げたSDGs(持続可能な開発目標)をクリティカルに議論している論文が収められているThe Politics of Destination in the 2030 Sustainable Development Goals(2017)【検討文献①】から1本の論文、フェミニズムの視点からSDGsを議論している論文(2018)【検討文献②】、フェミニストエコノミクスの文献Routledge Handbook of Feminist Economics(2021)【検討文献③】から2本の論文を検討します。

定例会の概要は、下記のようになります。
 
 
◆日時:2022年3月29日(火) 13時~17時
◆オンライン開催(Zoomミーティング)
 (事前登録制)
参加を希望される方は、開催2日前(3月27日)までに下記フォームより登録してください。開催前日までにオンラインでの参加についてのお知らせをお送りします。


文献報告①
◆報告者:平野恵子(お茶の水女子大学)
◆質問者:鳥山純子(立命館大学)
◆文献:【検討文献①第5章】 "Migration and Development after 2015"(Samid Suliman)
 
文献報告②
◆報告者:土野瑞穂(明星大学)
◆質問者:金美珍(大東文化大学)
◆文献:【検討文献②】The SDGs and Feminist Movement Building (Gita Sen)
 
文献報告③
◆報告者:大野聖良(日本学術振興会特別研究員(RPD、神戸大学))
◆文献:【検討文献③イントロダクション】"The Social Provisioning Approach in Feminist Economics: The unfolding research" (Günseli Berik and Ebru Kongar)

文献報告④
◆報告者:中村雪子(日本学術振興会特別研究員(PD、横浜国立大学))
◆文献:【検討文献③第45章】"The Sustainable Development Goals:Reflections from a Feminist Economics Perspective"(Shahra Razavi)


司会・趣旨説明:中村雪子


皆様お誘い合わせのうえ、どうぞご参加ください。
また、関心のありそうな方にご連絡いただけますと幸いです。
 
分科会では定例会での報告者を随時募集しております。
報告を希望される方は、事務局までご連絡ください。

お問い合わせは下記までお願いします。

2021年度「開発とジェンダー」分科会事務局
大野聖良・小川真理子・土野瑞穂・中村雪子
devgen.isgs@gmail.com
「開発とジェンダー」分科会では報告者を随時募集しております。
報告を希望される方は、事務局までご連絡ください。
 
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2020年度定例会開催記録

2021年3月14日に2020年度定例会が開催されました。


◆日時:2021年3月14日(日) 13時~16時半

◆オンライン開催(Zoomミーティング)

文献報告①
◆報告者:太田麻希子(立教大学)
◆質問者:鳥山純子(立命館大学)
◆文献:【検討文献第1章】Universal Access to Affordable Housing? Interrogating an Elusive Development Goal (Sussane Soederberg)
 
文献報告②
◆報告者:中村雪子(立命館大学 立命館アジア・日本研究機構)
◆質問者:大野聖良(日本学術振興会(RPD)、神戸大学)
◆文献:【検討文献第6章】Re-centring ‘Race’ in Development: Population Policies and Global Capital Accumulation in the Era of the SDGs
 
司会・趣旨説明:中村雪子(立命館大学 立命館アジア・日本研究機構)



下記、定例会の記録になります。

今回の定例会では、SDGs(持続可能な開発目標)をジェンダー視点からクリティカルに考えてみることをテーマにした読書会を開催しました。2回連続の企画の初回になります。当初昨年度末に計画していましたが、コロナ禍のため延期していたものです。
今回の内容は、SDGs(持続可能な開発目標)をクリティカルに議論している論文が収められているThe Politics of Destination in the 2030 Sustainable Development Goals(2017)から2本の文献を検討しました。

1本目の論文は、SDGsの目標11(住まい)に関係する内容で、グローバルな住宅目標と関連した重要な政策文書に焦点を当てたものでした。文書の分析の結果、ユニバーサルな住宅の課題を、① 国家の政策の失敗というだけ ではなくグローバルサウスのスラムに限定した問題としていること、② 住宅問題の著しい市場化が起きていることが明らかにされました。新自由主義的な政策がSDGsを通じて進行していることを批判的に実態把握し、オルターナティヴな住宅政策に取り組む必要があることが主張されています。報告者からは、住宅ローンの借り手に関して、移住やジェンダーの視点からコメントがありました。さらに、質問者から新自由主義をめぐっての論文の議論についてより複雑な理解が必要ではないかという指摘や、SDGs自体が新自由主義のより一層の進展に資するものになっているのではないかというラディカルな議論が提示されました。

2本目の論文は、現在の開発の枠組みをジェンダー化された人種の視点から再考する内容でした。自由主義・人種(ジェンダー化とセット)・資本蓄積の3つの要素が相互に関連し、植民地主義から継続して現在の開発の枠組みを作っていることが捨象されていることを問題視します。例として新自由主義の進展のもとフェミニズムの議論を換骨堕胎した性的自己決定を主要な軸とした人口政策が再び開発政策において盛んになっていることを分析します。その帰結として、新自由主義に親和的な人種化・ジェンダー化された「超勤勉な新自由主義的な起業家主体の生産」につながっていることが指摘され、結局のところ、SDGsは、植民地主義、そして、近代化発展主義の開発の時代を経て、なお、継続、もしくは強化されている資本蓄積に寄与するものとして構築され実践されていることが指摘される内容の論文でした。質問者からは、特に日本の若い女性を対象にしたフェミニズムやエンパワーメントをめぐえる近年の動きが新自由主義的な主体と親和性が高いのではないかといった議論が提示されました。

近年、日本社会においてもSDGsが企業を中心に取り上げられることが多くなっている中で、関心が高かったこともあり、全体の議論においても活発な議論が交わされました。

2021年8月6日金曜日

「開発とジェンダー」分科会2021年度定例会開催(2021年8月27日[金])のお知らせ



 2021年度第1回定例会開催(2021年8月27日[金])のご案内です。

*チラシはこちらからダウンロードできます。

  

「ケアの倫理と国際関係」読書会

2021827日[金] 13:00-15:00 zoom開催)

 

今回の「開発とジェンダー」分科会では、「ケアの倫理と国際関係」と題する読書会を開催します。新型コロナウィルスのパンデミックは、ケアをめぐる営みがこれまで無視されたり過小評価されてきたことについて、改めて私たちに問題提起をしてきました。

このことは、国家がいかに私たち人間一人ひとりの安全を蔑ろにしてきたか/しているかをも浮き彫りにさせています。つまり、現在の日本社会からもわかるように、「安全」といったとき、国家は「軍事的脅威からの安全」の確保を優先し、人間一人ひとりの「日常の暮らしにおける命の安全」を軽視しているといえます。

 私たちが必ず誰かのケアを必要としてきた/しているという事実は、国内の社会のみならず国際政治の場においても忘れ去られてきました。では、ケアの実践を軽視・不可視化するものは何でしょうか。ケアの実践を無視することがどのような問題を生み出してきた/生み出しているのでしょうか。またそもそもケアとは何であり、誰が担っているのでしょうか。

 今回の分科会ではこれらの点について、2つの文献をもとに、日常生活における不平等のみならす、開発、移動、グローバルな性取引、戦争などを射程に入れて考えます。 

 皆さまのご参加をお待ちしております。

 


日時:2021827日(金) 13時~15時(延長の可能性あり)

オンライン開催(Zoomミーティング)

 (事前登録制)

     参加を希望される方は、開催2日前(825日)までに下記フォームより登録してください。https://forms.gle/vV2KnBxYb6RDUJNr8

     ご登録いただいた方には、開催前日までに参加方法につきましてdevgen.isgs@gmail.comから連絡があります。

     本メールアドレスからの連絡が迷惑メールフォルダーに入ってしまうことがあるようですので、ご注意ください。

 

文献報告①

報告者:

 大野聖良(日本学術振興会(RPD)、神戸大学)

 中村雪子(日本学術振興会(PD)、横浜国立大学)

文献:ジョアン・C・トロント著、岡野八代訳・著『ケアするのは誰か?―新しい民主主義のかたちへ』白澤社発行、現代書館発売、2020

 

文献報告②

報告者:土野瑞穂(明星大学)

文献:岡野八代『戦争に抗する―ケアの倫理と平和の構想』岩波書店、2015

 第9章「『安全保障』を問い直す」(pp.192-216

 第10章「戦争に抗する―身体性/具体性から発する社会の構想へ」(pp.217-246

 

司会・趣旨説明:土野瑞穂(明星大学)

コメンテーター:

雑賀葉子(お茶の水女子大学基幹研究院研究員、桜美林大学非常勤講師)

平野恵子(お茶の水女子大学ジェンダー研究所特任講師)

 

主催・問い合わせ先:2021年度「開発とジェンダー」分科会事務局
          devgen.isgs@gmail.com(大野、小川、土野、中村)
          http://devgen-isgs.blogspot.com/

 

 


2021年3月11日木曜日

「開発とジェンダー」分科会2020年度定例会開催(2020年3月14日[日])のお知らせ

「開発とジェンダー」分科会2020年度定例会開催(2020年3月14日[日])のお知らせです。

※チラシはこちらからダウンロードできます。


「開発とジェンダー」分科会2020年度第定例会開催(2021年3月14日[日])のお知らせです。
 
2020年度も残すところ数週間となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 
「開発とジェンダー」分科会では、SDGs(持続可能な開発目標)をジェンダー視点からクリティカルに考えてみることをテーマにした読書会を2回連続で企画しています。
初回である今回の内容は、SDGs(持続可能な開発目標)をクリティカルに議論している論文が収められているThe Politics of Destination in the 2030 Sustainable Development Goals(2017)から2本の文献を検討します。
当初昨年度末に計画していましたが、コロナ禍のため延期していたものです。
 
定例会の概要は、下記のようになります。
 
 
◆日時:2021年3月14日(日) 13時~16時半
◆オンライン開催(Zoomミーティング)
 (事前登録制)
参加を希望される方は、開催2日前(3月12日)までに下記フォームより登録してください。開催前日までにオンラインでの参加についてのお知らせをお送りします。
https://forms.gle/pRS7NgAsfY2vFPWR6
 
 
文献報告①
◆報告者:太田麻希子(立教大学)
◆質問者:鳥山純子(立命館大学)
◆文献:【検討文献第1章】Universal Access to Affordable Housing? Interrogating an Elusive Development Goal (Sussane Soederberg)
 
文献報告②
◆報告者:中村雪子(立命館大学 立命館アジア・日本研究機構)
◆質問者:大野聖良(日本学術振興会(RPD)、神戸大学)
◆文献:【検討文献第6章】Re-centring ‘Race’ in Development: Population Policies and Global Capital Accumulation in the Era of the SDGs
 
司会・趣旨説明:中村雪子(立命館大学 立命館アジア・日本研究機構)

皆様どうぞご参加ください。
また、関心のありそうな方にご連絡いただけますと幸いです。
 
分科会では報告者を随時募集しております。
報告を希望される方は、事務局までご連絡ください。
 

共催:立命館大学アジア・日本研究所 アジア・日本研究推進プログラム「インターアジア現象としての『イスラーム的ジェンダー』の考察:差異の指標から変化のけん引力へ」(iAIG)
主催:2020年度「開発とジェンダー」分科会事務局
小川真理子・中村雪子
devgen.isgs@gmail.com
http://devgen-isgs.blogspot.com/
 
 
****下記定例会詳細です。転送・転載歓迎です!****
開発とジェンダー分科会2020年度第定例会開催(2021年3月14日[日])のお知らせ
 
国際ジェンダー学会「開発とジェンダー」分科会では、SDGs(持続可能な開発目標)をジェンダー視点からクリティカルに考えてみることをテーマにした読書会を2回連続で企画しています。
初回である今回の内容は、SDGs(持続可能な開発目標)をクリティカルに議論している論文が収められているThe Politics of Destination in the 2030 Sustainable Development Goals(2017)から2本の文献を検討します。
当初、昨年度末に計画していましたが、コロナ禍のため延期していたものです。
 
定例会の概要は、下に貼り付けてある詳細よりご確認いただけます。
 
 
◆日時:2021年3月14日(日) 13時~16時半
◆オンライン開催(Zoomミーティング)
 (事前登録制)
参加を希望される方は、開催2日前(3月12日)までに下記フォームより登録してください。開催前日までにオンラインでの参加についてのお知らせをお送りします。
https://forms.gle/pRS7NgAsfY2vFPWR6
 
 
文献報告①
◆報告者:太田麻希子(立教大学)
◆質問者:鳥山純子(立命館大学)
◇文献:【検討文献第1章】Universal Access to Affordable Housing? Interrogating an Elusive Development Goal (Sussane Soederberg)
 
文献報告②
◆報告者:中村雪子(立命館大学 立命館アジア・日本研究機構)
◆質問者:大野聖良(日本学術振興会(RPD)、神戸大学)
◇文献:【検討文献第6章】Re-centring ‘Race’ in Development: Population Policies and Global Capital Accumulation in the Era of the SDGs(Kalpana Wilson)
 
司会・趣旨説明:中村雪子(立命館大学 立命館アジア・日本研究機構)
 
お問い合わせは下記までお願いします。


共催:立命館大学アジア・日本研究所 アジア・日本研究推進プログラム「インターアジア現象としての『イスラーム的ジェンダー』の考察:差異の指標から変化のけん引力へ」(iAIG)
主催:2020年度「開発とジェンダー」分科会事務局
小川真理子・中村雪子
devgen.isgs@gmail.com
http://devgen-isgs.blogspot.com/
「開発とジェンダー」分科会では報告者を随時募集しております。
報告を希望される方は、事務局までご連絡ください。
 
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2021年2月28日日曜日

 インターアジア現象としての『イスラーム』、そのジェンダー的分析:差異の指標から変化のけん引力へ」iAIG2020年度第三回公開研究会開催のお知らせ

立命館大学アジア・日本研究所アジア・日本研究推進プログラム「インターアジア現象としての『イスラーム』、そのジェンダー的分析:差異の指標から変化のけん引力へ」(iAIG)が開催委します公開研究会のご案内です。
本分科会も共催です。

2021年3月3日(水)13:00~オンラインでの開催です。

チラシPDFはこちらからダウンロードできます。

==下記、案内です☆☆転送・転載歓迎です==
 イスラームが可視化されるとき、その場から西欧の影をぬぐいさることは難しいものです。しかし日本でイスラームに出会う時、その影がイスラームと対峙することを阻んできたのだとしたら、私たちは、欧米的価値観とイスラームとの三角関係から抜け出し、直接向き合う必要があるでしょう。こうした着想のもと、本プロジェクトは「インターアジア」(そこにはもちろん日本も含まれる)な現象としてイスラームに向き合うことを試みます。
 第三回公開研究会では、エジプトのFGM問題をとりあげます。FGMは、イスラームをジェンダー視点で批判する際の、国際社会の主要言説の一つとなってきました。本研究会では、FGMの具体的な実践状況についての議論を深めることから、イスラーム批判の道具としてのFGMというアプローチとは異なる分析を提示します。換言すれば、本研究会ではFGM問題を、インターアジアなイスラーム的ジェンダーの一現象として読み解きます。

チラシは下記のプロジェクトブログからダウンロードできます。

・日時:2021年3月3日(水)13:00~14:30
・オンライン開催(事前登録制)
参加を希望される方は、開催前日(3月2日)までに下記フォームより登録してください。開催日までにオンラインでの参加についてのお知らせをお送りします。

・報告者:ヘバタッラー・オマル  名古屋大学人文学研究科(文化人類学)
・タイトル:「女子割礼の実態と西洋普遍主義との関係――エジプトにおける事例から」
・概要:
 文化人類学において、女性性器切除(female genital mutilation、以下、FGM)は、重要な研究テーマのひとつである。これまで、FGMは、女性の身体を傷つけ、健康を損なうものであるとして、女性の人権やフェミニズムの視点、異文化表象の視点から多くの議論がなされてきた。しかしながら、それらの先行研究においては、ぞれぞれの地域的背景の考慮が不十分であり、西洋の普遍主義がそれぞれの地域のFGMの実践に与えた影響についての検討も十分になされていなかった。 
 そこで、本報告では、FGMの実践の一例として、エジプトの女子割礼の事例を取り上げ、エジプトの地域的背景に着目しつつ、西洋の普遍主義がエジプトの女子割礼の実態に与えた影響について明らかにしたい。

・問い合わせ先:iaigproject@gmail.com(iAIG事務局)
・主催:立命館大学アジア・日本研究所 アジア・日本研究推進プログラム「インターアジア現象としての『イスラーム的ジェンダー』の考察:差異の指標から変化のけん引力へ」(iAIG)
====案内はここまでです====

2018年6月23日土曜日

開発とジェンダー分科会2018年度第1回定例会開催(2018年7月22日[日])のお知らせです。

※チラシはこちらからダウンロードできます。
※参加費について情報を加えました。資料代200円になります。(2018年7月12日更新)

東京は本格的な梅雨の到来ですが、いかがお過ごしでしょうか?

2018年度第1回定例会では、変化が著しい東南アジアにおける福祉やヘルスケアの現状に着目した研究を行っているお二人に報告していただきます。阿部さん、江藤さんともに最新のフィールドワークの結果から、各々カンボジア農村部におけるセカンダリー助産師、タイ東北部農村において展開される高齢女性をめぐる「福祉ミックス」の事例に着目した研究報告を行っていただく予定です。

報告概要は、下に貼り付けてある詳細よりご確認いただけます。


◆日時:2018年7月22日(日) 15時~18時半
◆場所:立教大学 池袋キャンパス 7号館2階7204教室
 ※こちらからキャンパスマップを確認できます。

報告①
◆報告者:阿部貴美子さん(明治学院大学社会学部付属研究所研究員)
◆報告タイトル:「助産師のカンボジア農村保健センターへの定着影響要因の探求

◇報告②
◆報告者:江藤双恵(獨協大学他非常勤講師)
◆報告タイトル:「タイ東北地方農村部におけるコミュニティ福祉の展望――女性の動員か女性を通じた連帯か

※資料代200円

ご出席の方は、恐れ入りますが、資料の都合上、なるべく2018年7月19日(木)までに下記のアドレスまでご連絡頂けますよう、お願い申し上げ申し上げます。

皆様お誘い合わせのうえ、どうぞ足をお運びください。
また、関心のありそうな方にご連絡いただけますと幸いです。

報告者を随時募集しております。
報告を希望される方は、事務局までご連絡ください。

2018年度「開発とジェンダー」分科会事務局
小川真理子・中村雪子


****下記定例会詳細です。転送・転載歓迎です!****

国際ジェンダー学会「開発とジェンダー」分科会2018年度第1回定例会開催(2018年7月22日[日])のお知らせです。
2018年度第1回定例会では、変化が著しい東南アジアにおける福祉やヘルスケアの現状に着目した研究を行っているお二人に報告していただきます。阿部さん、江藤さんともに最新のフィールドワークの結果から、各々カンボジア農村部におけるセカンダリー助産師、タイ東北部農村において展開される高齢女性をめぐる「福祉ミックス」の事例に着目した研究報告を行っていただく予定です。

報告概要は、下に貼り付けてある詳細よりご確認いただけます。
◆日時:2018年7月22日(日) 15時~18時半
◆場所:立教大学 池袋キャンパス 7号館2階7204教室
 ※こちらからキャンパスマップを確認できます。

報告①
◆報告者:阿部貴美子さん(明治学院大学社会学部付属研究所研究員)
◆報告タイトル:「助産師のカンボジア農村保健センターへの定着影響要因の探求
◆報告概要:
 経済成長が著しいカンボジアでは、妊産婦死亡率が過去十数年で大幅に低下し(WHO 2015)妊産婦死亡率に関する国連のミレニアム開発目標を達成した。これには、助産師の経済的報酬の増加、農村部を含めたすべての保健センター(HC)へのプライマリー助産師の配置、同国の経済成長などが貢献した(Fujita et al. 2013。しかし、経済成長からは、都市と農村の格差も生じた。保健省は、妊産婦死亡率をさらに下げるため、より資格レベルの高いセカンダリー助産師の全HCへの配置を進めている。配置された助産師が、農村部に定着するには何が影響しているのだろうか。
 これまで、セカンダリー助産師に限らない助産師全般に関しては、給与や施設の物理的状況等が動機に影響していると援助機関の報告書などで指摘され、配置については安全に関する懸念が語られた。日本では過去に、農村へき地に派遣された「保健婦」が、コミュニティからジェンダーに基づく反発を受けた。 
 本研究は、セカンダリー助産師が農村部のHCに定着することに対する重要影響要因を、これまでに指摘された影響要因を踏まえて質的に探った。

◇報告②
◆報告者:江藤双恵(獨協大学他非常勤講師)
◆報告タイトル:「タイ東北地方農村部におけるコミュニティ福祉の展望――女性の動員か女性を通じた連帯か
◆報告概要:
 「福祉社会」もしくは「福祉コミュニティ」の構築において、タイは先進的な事例を提供してきた。急速に進展する高齢化に備えてのことである。例えば、国家レベルの村落健康ボランティア推進事業によって、6800万人の人口に対して100万人がコミュニティ(高齢者)ケアの担い手として育成されている。また、地方自治体の職員が地域内外のさまざまなネットワークを駆使しながら困窮者支援対策を行っている。本報告においては、タイ東北部の人口6000人規模の農村で、高齢女性をめぐって展開される、いわばミクロな「福祉ミックス」の事例を紹介し、財源面や人材面での高齢者対策に悩む先進産業社会における公的部門の役割についてジェンダー視点から議論する 契機としたい。


※チラシはこちらからダウンロードできます。

ご出席の方は、恐れ入りますが、資料の都合上、なるべく2018年7月19日(木)までに下記のアドレスまでご連絡頂けますよう、お願い申し上げ申し上げます。
皆様お誘い合わせのうえ、どうぞ足をお運びください。
また、関心のありそうな方にご連絡いただけますと幸いです。

*会場最寄り駅
JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口より徒歩約7分。

当分科会では報告者を随時募集しております。
報告を希望される方は、事務局までご連絡ください。

2018年度「開発とジェンダー」分科会事務局
小川真理子・中村雪子

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2018年1月22日月曜日

2017年度第1回定例会開催記録(2017年7月16日)(第2弾)

2017年7月16日に第1回定例会が開催されました。


先日、第1回定例会のお一人目の報告者の記録を紹介しましたが、続けてお二人目の報告者の記録をご紹介します。


◆日時:2017年7月16日(日) 13時~16時半

◆場所:立教大学 池袋キャンパス 13号館1階会議室


報告者:新倉久乃さん
(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科 博士課程前期課程2年・
特定非営利活動法人 女性の家サーラー理事)

報告タイトル:在日タイ女性のトランスナショナルな再生産労働の現実 課題と可能性
-日本でひとり親経験をもつ3人の語りから-



本報告では、在日タイ女性で、特にひとり親の経験を持つ女性たちの定住の決断について、インタビューと参与観察から明らかになったことの一部を紹介した。また、本報告では1985年から2005年に来日したタイ女性を在日タイ人と定義する。 在日タイ女性の移動は、世界的に起きた移動の女性化の一部、再生産労働の中に位置付けられる。他のアジア諸国の受入がケア労働であったことと相違し、日本では2005年に人身取引の厳罰化までは、人身取引や結婚の受入であった。この間国際結婚の数も増加するが、離婚やそれに伴う夫の遺棄やDVも多く、報告者も外国籍女性のためのシェルターでタイ語ケースワーカーとして被害者支援を行ってきた。本報告では在日タイ女性は、一時的にDV等被害者になるが、移動して自らを変化させて日本定住を行う主体として捉えた。日本人配偶者として来日し、離婚後も日本に定住することを決断した女性の3人の語りと他の参与観察を通して考察した。第一に、在日タイ女性は、タイ日本両方の社会背景や価値観をもつトランスマイグラントとして定住する。第二に定住の決断が迫られる二つの時期は、「妊娠・出産」と「離婚」である。その決断には、タイの経済発展と格差の影響を受ける成育の経験や日本での在留資格保持のため構造的に弱者の立場が影響する。タイ日のジェンダー規範の相違、例えば母系社会の元、家計負担平等、母への仕送りと自分の新しい家族をどのように支えるか、離婚時ひとり親となった女性たちに決断を迫る。第三に、日本に定住し子育てするために、タイにはない日本の福祉制度利用をすることで、福祉制度の根底に流れるジェンダー役割が、在日タイ女性に同化の圧力をかける。しかし、このような圧力があっても在日タイ女性は「妊娠・出産」と「離婚」の時期、日本への定住をするか、二つの国の家族のトランスナショナルな関係の中で流動的に、主体的に決断している。
まとめとして、在日タイ女性のトランスナショナルな定住には課題と可能性がみられる。課題として、移民政策のない日本では、夫の経済力、情報取得の格差や福祉、法的支援が同化強制になる恐れがある。可能性としては、日本への定住がタイの家族関係の困難から距離を保ち新しい考え、生き方を身に付ける、移民政策はないがママ友や他の外国人のつながりが補う、タイからの移動の歴史が20年を超え多世代で構成するタイコミュニティが存在することが挙げられる。

質疑応答では、本報告においてトランスナショナルな定住をする在日タイ女性ということと、ひとり親としての語りを活かすための論点について、多くの示唆を得た。ライフコースの決断にどのようなジェンダー視角が影響するのかについての意見が提出された。たとえば、離婚に焦点をあて、妻あるいは母という役割を離れた生き方の決断や在留資格や親権の中に日本の男性社会の構造を語りからどのように論じるかである。またトラスナショナルな定住に、タイ日の入国制度の改正やSNSによる物理的に国境を越えない方法での移動が影響するのかという点にも関心が集まった。移民制度の有無で女性たちの可能性はどのように変わるだろうかという指摘もあった。研究の前提として、1970年代からアジアでの移動の女性化やタイ女性のジェンダーについても多くの議論があった。多くの貴重なアドバイスに心より感謝いたします。