2015年5月27日水曜日

開発とジェンダー分科会2015年度第1回定例会開催のお知らせ

開発とジェンダー分科会2015年度第1回定例会開催のお知らせです。




今回は、今年3月にお茶の水女子大学より博士号を取得された鳥山純子さんに報告をしていただきます。

エジプト・カイロの女性教員を対象にした博士論文の内容から、さらに踏み込んでフィールドと研究をつなぐプロセスについての議論を提示してくださる予定です。

ご本人の希望もあって、参加者のみなさんとの議論の時間を大目にとる予定です。
鳥山さんの研究テーマについての関心とともに、フィールドデータからいかに研究を立ち上げていくかという点に関心をお持ちの方も、ぜひご参加ください。

ご出席の方は、恐れ入りますが、資料の都合上なるべく6月14日(日)までに下記のアドレスまでご連絡頂けますよう、お願い申し上げ申し上げます。



皆様お誘い合わせのうえ、どうぞ足をお運びください。


2015年度「開発とジェンダー」分科会事務局
太田麻希子・中村雪子



*****下記、転載可*****************************************************

開発とジェンダー分科会2015年度第1回定例会 

日時:6月21日(日) 14時~17時
場所:お茶の水女子大学文教育学部1号館302号室
報告者:鳥山純子さん(日本学術振興会特別研究員PD)
報告タイトル:
人から考えるフィールドの描き方
ー00年代カイロの女性私立学校教員を事例に
Presenting a field as writing on people:
Contesting characteristics of female private school teachers in Cairo at the turn of the century

報告概要
問題関心、考察 対象の設定、分析視角は、いかなる研究を行う際にも必要な研究の骨子を形作るものである。そのどれをとっても、研究の方向性や議論の筋道、またその研究が もつ意義を決定づける重要なものである。そのため、ジェンダー研究という文脈でも、先行研究検討においてはそのいずれか、もしくはその全てを批判的に検討 するという作業が行われてきた。また、参与観察を用いて行われる人類学などの研究分野においては、問題発見型アプローチと称し、フィールドにおいて実際に 対象とする人々が問題化する事柄に重点をおいて議論を立ち上げるという手法が確立されてきた。それらはいずれも、既存の問題関心、対象設定、分析視角の中 に、研究者自身の認識によってゆがめられた、あるいは消し去られてきた重要な事柄があるのではないか、という問題意識のもとに発展を見た営為といえるだろ う。
 研究者の認識は 研究全般に大きく関わるが、とりわけ、フィールドにおけるデータ収集からそれを研究論文としてまとめる作業の間には、それが大きく試される行程がある。そ れが、記述対象の選択である。収集した多種多様なデータから、何を描き出そうとするのか、その際に意識すべき研究上の優先順位は何かを設定することは、最 初に提示した問題関心、考察対象の設定、分析視角の全てを制約し、導くものとなる。

 本報告では、上記問題意識に基づき、報告者が博士論文記述において行った、個人を対象とした民族誌記述、に付随する意図と戦略を開示し、そこから導き出された結果について議論することから、個人を対象とした民族誌記述の妥当性と有用性、およびそれが00年代カイロの私立学校教員の生き方を理解する上での意義について検討する。


出席の方は、資料準備の都合上6月14日(日)までに
下記アドレスまでご連絡いただければ幸いです。

email: devgen.isgs@gmail.com(太田・中村)

*会場最寄り駅
東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅下車
東京メトロ有楽町線「護国寺」駅下車

*当日は、正門よりお入り下さい。(南門は土日ですと、閉門している場合が多いのでご注意下さい)
*入構の際、身分証明書をご提示の上「開発とジェンダー」分科会とおっしゃってください。
*会場は正門から見て正面のキャンパスマップ中④です。エレベーターで3階にあがって頂き、
降りて左の廊下に入ってさらに左に行くと会場の302号室がございます。

*****転載可、ここまで*******************************************************

2015年3月5日木曜日

2014年度第5回定例会記録(2015年2月7日開催)

春の足音が近づいてきましたね。
第5回定例会(2015年2月7日)の記録になります。

日時:2015年2月7日(14時30分~)

場所:お茶の水女子大学文教育学部1号館304号室

報告者:久島桃代(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

題目:日本の過疎山村に移住する若い女性たちの経験

本定例会では、久島桃代さんより福島でのフィールドワークに基づいたご研究をご報告頂きました。

-以下、報告内容と質疑応答の要約になります。

◆報告内容
 日本の農山漁村の「限界集落」論・「消滅」論が、ジャーナリズムや政策の場で盛んに議論されるようになって久しい。その中で、昨年から農村研究者たちの間で徐々に注目されているのが、都市に居住する若者層の田園回帰である。本研究では,移住者が農山村の集落の再生に果たす役割を検証するため,福島県昭和村に移住した若い女性たちの地域づくりを事例とした。この村では,「からむし織体験生『織姫・彦星』事業」と呼ばれる伝統織物の後継者育成事業が1994年から実施され,20名もの定住者が現れている。報告では、若い女性を農村へと惹きつけ定着させるためのしくみや、彼女たちの地域での取り組み、そして課題を提起した。課題に関しては、村の既存のジェンダー関係が移住女性たちのライフスタイルと一致しない場合、彼女たちの地域的取り組みや地域で暮らすことそれ自体を困難にしていることを指摘した。

◆質疑応答
 インフォーマントのライフヒストリーから、移住や農村での暮らしが個々の女性たちにとってどのような意味を有しているのかを詳細に検証していることが評価される一方、彼女たちの語りが、地域や時代をいかに反映するものなのかは不明瞭であると指摘された。これを補うために、さらなる悉皆調査と統計的データの提示が要求された。

2015年1月27日火曜日

2014年度第5回定例会開催のお知らせ(2015年2月7日14時半~)

2015年2月7日に今年度の第5回定例会を開催致します。

今回は、お茶の水女子大学大学院博士後期課程にて
地理学を専攻されている久島桃代さんに、
福島での研究調査に基づいた報告をして頂けることになりました。
詳細は以下をご覧ください。


====== 転載可ここから ======

2014年度第5回定例会 日時:2015年2月7日(14時30分~16時30分)

■場所:お茶の水女子大学文教育学部1号館304号室

■報告者:久島桃代さん(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

■報告タイトル:日本の過疎山村に移住する若い女性たちの経験

■報告の概要
高齢化率が55%を超える「限界自治体」、福島県昭和村。この村に、20年ほど前からよそから移住・定住する若い女性たちが現れている。彼女たちは、昭和村が主宰する伝統織物後継者育成事業への参加を機に村に移住した。しかし、雇用や経済の面から見れば、技術を身に着けた女性たちの生活は、決して安定しているとはいえない。また、豪雪地帯でもあるこの地域での暮らしは、高齢者はもちろん、若者にとっても楽なものではない。それでも彼女たちは、暮らしを工夫したり、地域での生活に積極的な価値を見出しながら、村で生きることを選択している。本報告では、こうした女性たちの暮らしの経験と村への場所感覚を報告することで、今後の過疎山村の可能性について考えてみたい。


どなたでも、ご関心のある方は参加可能です。
出席を希望される方は、資料準備の都合上2月5日までに
下記アドレスまでご連絡いただければ幸いです。

email: devgen.isgs@gmail.com(太田・中村)


*会場最寄り駅

http://www.ocha.ac.jp/access/index.html

東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅下車
東京メトロ有楽町線「護国寺」駅下車


*当日は、正門よりお入り下さい。(南門は閉門しておりますのでご注意下さい)
*入構の際、身分証明書をご提示の上「開発とジェンダー」分科会とおっしゃってください。
*会場は正門から見て正面のキャンパスマップ中④です。エレベーターで3階にあがって頂き、
降りて左の廊下に入ってさらに左に行くと会場の304号室がございます。

http://www.ocha.ac.jp/access/index.html#no3

======転載可・ここまで======


皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
何卒よろしくお願い致します。

2014年11月4日火曜日

2014年度第4回定例会記録(2014年10月25日開催)

そろそろ秋も深まってきましたね。
さて、先日第4回定例会(10月25日)を開催しましたのでその概要を掲載します。

■日時:2014年10月25日 14時~16時

■場所:お茶の水女子大学文教育学部1号館304

■報告者:鈴木亜矢子(お茶の水女子大学大学院博士後期課程)

■題目:(仮)女性の家族形成・結婚改姓に関する自己決定権再考

本定例会では、鈴木亜矢子さんより博士論文のためのご研究を報告頂きました。

--以下、報告と会場での議論の要約になります。


□今回の発表は「(仮)女性の家族形成・結婚改姓に関する自己決定権再考」と題した博士論文の構想の報告であった。報告者はこれまでの調査から、自ら積極的にではなく、いわば消極的に別姓という形態をとることになった女性たちに着目し、こうした女性たちの「姓」の自己決定権の保障の在り方についての研究を進めている。先行研究として、憲法上の自己決定権論については、家族形成の自己決定権として結婚、離婚、子どもを持つ権利など幅広い権利が包括されており、女性の人権についても十分な議論はない。そのため、人権論一般を発展させるためにも、女性の人権論を自己決定権という観点から論じていくべき必要性を論じた。会場からは、ベースとなる調査方法に対する質問や、憲法上の自己決定権に関する質問があった。また博士論文の構成については、社会構造や制度についても論文に盛り込んだ方がいいのではないかとのアドバイスがあった。自己決定権については様々な学問分野でも問題点が指摘されているため、今後の更なる研究の進展が望まれる。

2014年8月21日木曜日

ラウンド・テーブル参加のお知らせ@国際ジェンダー学会2014年大会(2014年9月6日~7日、静岡大学)


 暑い日が続きますね。

今年度の国際ジェンダー学会大会が9月6日(土)~7日(日)にかけて、静岡大学で開催されます。本分科会も下記内容で、ラウンド・テーブルに参加します。

大会全体のプログラムは、下記よりご確認いただけます。
http://isgsblog.blogspot.jp/

参加プログラム:ラウンド・テーブル(9月6日13時開始)
タイトル:イスラームは女性を抑圧するのか?
企画:「開発とジェンダー」分科会(事務局:中村雪子・太田麻希子)
話題提供者:
・鳥山純子(東京大学東洋文化研究所 特任研究員・東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所 ジュニアフェロー)
・嶺崎寛子(愛知教育大学)
・山本沙希(お茶の水女子大学大学院)
司会:大野聖良(日本学術振興会 特別研究員)




タイトルにあるように、今回のラウンド・テーブルでは、しばしば女性に対する抑圧の象徴のように取り上げられる「イスラーム女性」に関して、議論を行います。話題提供者の3名がそれぞれイスラーム圏と言われる地域において行ってきた文化人類学的調査を基に、個別具体的な「イスラーム女性」の有りようを提示します。そのうえで、一般的にも流布され学術的にも頻出する「イスラーム」と「イスラーム女性」をめぐる表象や言説が孕む問題点を議論していく予定です。

報告は、下記のトピックにそって議論が行われる予定です。


1.ジェンダー・オリエンタリズムの向こう側―ムスリム女性の表象がはらむ問題と罠

(嶺崎)

2.組織化にみる現代アルジェリア女性の歩み―女性支援団体の複合的機能

(山本)

3.00年代カイロのムスリマ(イスラーム教徒女性)的日常―20代女性の自己成型に見るイスラーム

(鳥山)

4.イスラームを使ったエンパワーメント―現代エジプト女性の自己承認をめぐって

(嶺崎)

5.ブラックボックス化する『イスラーム』―なぜ『イスラーム』はわかりにくいのか(鳥山)



先月末の打合せにて、一足早く議論の内容を垣間見ることになりましたが、豊富なデータに基づいた三者三様の報告内容を基点に、現代日本に生きる私たちの有りようにも問題を突きつけるアクチュアルな議論が展開される予感です♪


みなさま、ぜひ足をお運びください!

2014年7月5日土曜日

2014年度第3回定例会記録(2014月6月28日開催)

2014年6月28日(土)に2014年度第3回定例会が開催されました。


・日時:2014年6月28日(土)13時~18時
・場所:お茶の水女子大学文教育学部1号館3階307号室
そろそろ海が恋しい季節がやってきますね☆



■報告1:工藤真紀(東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科修士課程) 
タイトル:「インドのジェンダー暴力と「包摂」アプローチ――インドの現地NGOジャゴリが教えるものは何か?」
■報告2:土野瑞穂(お茶の水女子大学 リサーチフェロー)
タイトル:「『慰安婦』問題と『償い』のポリティクス――『女性のためのアジア平和国民基金』を中心に」


本定例会では、女性に対する暴力を共通項に、修士課程在籍中の工藤さんは修士論文のための研究報告を、土野さんは博士論文に基づいた報告をしてくださいました。


--下記、報告の要約になります。

□工藤真紀さん(東洋英和女学院大学大学院国際協力研究科修士課程) 
タイトル:「インドのジェンダー暴力と「包摂」アプローチ――インドの現地NGOジャゴリが教えるものは何か?」
 インドの首都デリーにおいて、2004年から行われているデリーの市街を女性たちにとって安全な街にしようとする「セーフ・デリー・キャンペーン」キャンペーンが行われている。そのキャンペーンでは、現地NGO団体Jagoriが、 UN Womenや地方政府と協力して、「包摂」というポリシーに基づいて女性の社会参加を進めている。Jagoriは、デリーの市街地での活動や、女性の権利に関するワークショップを開くなど、女性の権利保護を訴えるアドボカシー活動を展開しているが、その活動の特筆すべき点は、「包摂」という基本理念ある。インドでジェンダー課題に取り組むNGOの戦略は、「トップダウン・アプローチ」から「ボトムアップ・アプローチ」へと変わってきたが、いまだにジェンダー暴力は根強く残っている。それに対して「包摂(inclusion)」を旗印にするJagoriの活動は、トップ・ダウンとボトム・アップを総合したより効果的なアプローチであることを論じた。質疑応答では、インドにおいて根強く残る、あるいは悪化している女性に対する暴力についての先行研究の更なるレビューの必要性や、分析方法に関する妥当性についてなどが指摘された。


□土野瑞穂(お茶の水女子大学 リサーチフェロー)
タイトル:「『慰安婦』問題と『償い』のポリティクス――『女性のためのアジア平和国民基金』を中心に」

 博士論文の内容を抜粋・一部修正したものである本発表では、初めに「慰安婦」問題の解決を求めて20年以上にわたって継続されてきた日本国内外の運動を概観した後で、今日「女性のためのアジア平和国民基金」(略称アジア女性基金。以下同)を研究対象とする意義とその必要性が論じられた。次に、マーサ・ミノウの議論に立脚した本研究の分析視角についての説明がなされた。すなわち、いかなる対応措置も当該社会のあり方に規定されるという限界を踏まえた上で、被害者「個人」の痛みや苦しみとそれへの処し方に目を向けること、しかしその一方で、問題を「個人的なこと」として終わらせてはならず/終わらせることはできず、元「慰安婦」の女性たちそれぞれの被害を歴史的文脈に位置づけた上で「償い」の措置を考えなければならないという視点に立つことが提示された。その分析視角のもとで、アジア女性基金の発足から解散までの一連の過程について、アクターたちの相互作用に着目して考察が行われた。最後に、アジア女性基金を教訓として示唆される、「償い」に必要な要件が示された。質疑応答では、研究手法の説明と議論の提示方法について意見・提案がなされたり、「慰安婦」問題の歴史的背景や「慰安婦」問題をめぐる今日の日本の状況について活発な議論がなされた。



2014年6月5日木曜日

2014年度第2回定例会記録(2014月5月24日開催)

2014年5月24日(土)に2014年度第2回定例会が開催されました。



・日時:2014年5月24日(土)14時~17時
初夏の空の下、うつぎの花とオリーブ
・場所:お茶の水女子大学文教育学部1号館3階304号室 


報告者:熊田陽子(日本学術振興会特別研究員-SPD)
タイトル:『「おんなのこ」として性風俗世界に生きる―ある東京の無店舗型SMクラブを通して見た都市的“性”様式に関する研究』


本定例会では、今年3月にお茶の水女子大学より博士号を取得された熊田陽子さんに、博士論文の内容を基に報告していただきました。



--下記、報告の要約になります。

報告者:熊田陽子(日本学術振興会特別研究員-SPD)
タイトル:『「おんなのこ」として性風俗世界に生きる―ある東京の無店舗型SMクラブを通して見た都市的“性”様式に関する研究』

要約:
博士論文の内容を一部修正する形で構成された本発表では、最初に、性に関する研究の意義・意味と、都市世界の性をテーマとするに至った経緯について説明がなされた。その後に、発表者が長期的なフィールドワークを行ってきた東京都市部のSMクラブ(X店)の日常について、主に女性従業者(発表においては「おんなのこ」)の視点から、演技(プレイ)と「遊び」(プレイ)を軸に考察が行われた。そのうえで、「おんなのこ」として他者と関係を形成するにあたって欠かせない「都市的なる『自己』」の構築(これには「自己」の切断と接合の実践が伴う)について、人類学をはじめとした「自己」の理解を批判的に検討しつつ論じられた。更にその理解に基づき、2人の「おんなのこ」の生に特化した詳細な分析が行われた。質疑応答では、全体の構成をよりわかりやすくするための提案がなされたり、「性とは何か」という重要な問いについての意見が提示されるなど、活発な議論が展開された。